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特発性正常圧水頭症(iNPH)について

特発性正常圧水頭症(iNPH)とは、私たちの脳や脊髄にある脳脊髄液の吸収が悪くなり、それが余分にたまることにより、脳室が拡大し、周囲の脳組織を圧迫することにより起る病気です。

症状は転びやすい、小刻みに歩く、歩き出しやターンが困難といった歩行障害、意欲の低下や物忘れなどから始まる認知症(痴呆)、排尿が間に合わなくて漏らしてしまう尿失禁などが進行します。

特発性正常圧水頭症の場合、歩行障害がまず先に現れることが多いようです。早期に診断しきちんと治療すれば歩行障害は9割、認知症、尿失禁は5割前後が改善するといわれています。

当院では、まず外来で簡単な検査をした後、特発性正常圧水頭症が疑われる方は、腰椎穿刺により髄液を排除して症状の改善を見るタップテストや脳血流量を測定するSPECTなどの幾つかの検査を施行した後、しかるべき施設をご紹介して、髄液シャント術を行います。この手術は比較的簡単で、脳圧を細かくコントロールできる圧可変式のバルブを使用しています。

現在、特発性正常圧水頭症の臨床研究(SINPHONI)の実行委員(登録施設)として、この病気に関するデータを集めています。

iNPH公式サイトhttp://www.inph.jp/にアクセスしてみてください。

・市民向けINPHセミナー050312 「手術で治る認知症(痴呆)・治る歩行障害とは?」